まだ紹介していなかった??奇跡の職人『ニョマン』さん。
ここでバッグのお店をしていて、よく聞かれる質問のひとつに「職人さんはどうやって見つけて来たのですか?」というものがあります。大体同業者の皆さんは苦労して何人も変わって、そして今の職人さんに巡り会いました、とおっしゃっています。
*写真は”sisi” 15周年記念のパーティーの際のもの。左がニョマン氏、そして私を挟んで右がニョマンと二人三脚で”sisi”を支えてくれている美人の奥さま。
“sisi”は な、なんと開店前から作っていたサンプルの第一号からこのニョマンさんが作ってくれているのです。
今となっては以前もこちらで紹介した小物や一部のバッグを作ってくれているイブ・オープン、そしてニョマンさんの元にも4-5名程の職人さん。 更に一時期本当に忙しくて人手が足りなかった時には実はニョマンの実兄さんが(彼も職人である)チームをしたがえて手伝ってくれていた事もありました。 ニョマンさんはsisiで仕事をする前に既に2人の日本人ボスの元で仕事をしていた経験があり、「日本人との仕事とはこういう事だ」という基本をしっかり知ってくれていたのがとにかく強かったです。 私自身がバリ島に来て右も左も何も分からなかった時にさまざまなアドバイスをくれたり、時には愚痴を聞いてくれていたりしました。
彼はもともと革を縫う職人さんだった事もあり、厚手のデニムでも問題無くどんどん縫ってくれる。
デンパサールの小さなコス(寮、と訳されることもありますが、本来の家では無く暮らす借りの住まい?コンパクトな集合住宅です)で当時は中学生の息子と幼稚園児の娘さん、そして夫婦で暮らしていたのですが、手狭になってもうひとつ隣のコスを借り、そして近くに一戸建てを建て。 そして先日本当に驚いたのですが「息子のPUTUが結婚するから是非式に参加してね」と招待状をもらいました。

*左がPUTU、中央が昔幼稚園児だった娘ちゃん。右はPUTUのお嫁さん。

もうビックリして「え?まだハタチぐらいでしょ??」なんて話してたら「いや、26歳だよ」と。あぁ、そりゃ私も歳をとる訳だ、と彼の両親であるニョマンさん夫妻と笑って話しました。 幼稚園児だった妹の「potong gigi」(犬歯を削って平らにする)という成人の儀式も一緒に行われ、見間違える程に美しく成長した(まるで童話のお姫様みたい)彼女を見て一緒に式に行った夫は「あれ?お嫁さんじゃないの??」と間違えてしまった程でした。
*8年程前の写真。私の隣に居る青年はニョマンさんの甥っ子で当時いろいろ手伝ってくれていました。見て下さい、私の逆隣に座ってるこの女の子がお姫様!(私の髪の色に関してはスルーして下さい)
結婚式のパーティーの時に楽しそうにおしゃべりを続ける主役である息子PUTUとその友人たちの様子を見ながらしみじみと「こうして時が経って行くんだね」と語り合った私たち。出会った頃はかけていなかった、そしてすっかりトレードマークにもなったニョマンさんと奥さんのメガネ姿を見ながら「こういうのも悪く無いな」としみじみ感じました。今年でsisiも17年目、私たちが出会ってからも17年目。この先どうなって行くのかは誰も分からないけれど、一緒に頑張って来たこの17年は確かなものであり、こうして残っている。
ニョマンさんの背中を見て育った子どもたちが健全に、そして逞しく育っているように私や夫がsisiを作り上げている姿を見て我が家の子どもたちは何を感じて大きくなって行くのだろう、と考えたのでした。
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