今となっては3歳の男の子のお母さん。もう30歳になる、なんて聞いてこちらがショックを受けてしまう程。
仕事を始めて間もなく
「アリガトウ、ってどういう意味ですか?お客さんがしょっちゅうおっしゃるんですが」
と真剣に聞いて来ました。
バリ島は観光地。学校ではちょっとした日本語の会話などは勉強する、と聞いていたし、このご時世 「アリガトウ」を知らない人が居るとは!?
「terima kasih(ありがとう)という意味よ」と教えると
「あー、だから皆さんいうんですね。分かった!あはは」と言ってた彼女が今はスラスラと日本語を操ってお客さまと会話しています。
日本語教室に通い始め、他のスタッフが頭を抱え挫折して行く中、コマンだけが「中級コースにも進みたいのですが良いでしょうか?」と言って来た唯一のスタッフ。
また、コマンらしいエピソードのひとつとして ある時 お客さまからメールを一通頂きました。
そこには『先週バリ島に行き、sisiのお店に行きました。お店を探して炎天下歩き、やっと到着した時には汗だらだらでとっても疲れていたんです。そしたらそれを見たコマンちゃんが「チョットマッテ!」とお店の奥に走って行き、一切れのスイカを持って出て来て「これどうぞ食べて下さい!」とくれたんです。嬉しくて嬉しくて、今回の旅の一番の想い出になりました、どうぞ宜しくお伝え下さい』、と。
本人に確認した所、大爆笑した後に
「だってお客さま顔が真っ赤っかで汗たくさんかいてて、きっと暑いだろうな!喉が渇いてるんだろうな、と思ってお昼に食べよう、と思って買っておいた私のスイカを渡したんですよ、はっはっは」と。
あぁ、私はこの人には敵わないな、と思った瞬間でした。
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