バリ島のsisiに来て下さった事のあるお客さまなら彼女の事をご存知なのでは?

sisi自体よりもsisiで仕事をしてるこの”Komang”ちゃんを探してお店に来て下さる方も少なく無い。

そんなsisiのカリスマ?スタッフ “コマン・チビ”こともうチビじゃない”Komang Mustiari”さんの事を書いてみたいと思います。

コマンとの出会いのきっかけは彼女の実の「お姉さん」

日本語の達者な 愛嬌のあるそのお姉さんが働いていた日本料理屋さんに私が出入りするようになってしばらくたった或る日、お姉さんが私に「尚美さん、sisiではスタッフを探していまセンカ?」と声をかけて来ました。

よく他のお店で「sisiのボスでしょう?ここの仕事を辞めてあなたのところへ〜」と言って来る人が居て、そういう人は正直「好きでは無い」ので(ボスの立場になって考えてみれば非常に悲しい恥ずべき事)、あぁ、この人もそんな人だったのか、と残念に思っていたら

「私のイモウトさん、仕事探しています」と。

なんだ!妹か〜、早く言ってよ!と早速面接の日にちを段取り。

翌々日にお姉さんに連れられてsisiにやって来たのがコマンでした。

真っ黒に陽焼けして(どうも、その時は外回りで人の家に飛び込みで入って行く仕事をしていたそうな)恥ずかしそうにモジモジ、体をくにゃくにゃしてお姉さんの後ろに隠れている。

名前は?と聞いてもお姉さんの顔を見上げるだけでニヤニヤするだけで答えない。

「え?この人大丈夫?」と正直思い、試しにスタッフとして雇いつつも「クニャクニャ星人」と心の中であだ名をつけていました。

ガリガリに痩せ灼けたチビのコマンを「コマン・チビ」と名付け(バリでは第一子、第二子、と産まれた順に名前が決まっていてコマン、という名前の人はその辺に山ほど居るので 大体ニックネームで呼ばれる)sisiではそう呼ばれていました。

お店の前を通る近所の小学生に「おーいcibi〜」と言われて「うるさいっ!」と本気で追いかけようとしていた彼女は当時18歳。

■2010年、sisi10周年のバナー写真にも登場。


今となっては3歳の男の子のお母さん。もう30歳になる、なんて聞いてこちらがショックを受けてしまう程。

仕事を始めて間もなく
「アリガトウ、ってどういう意味ですか?お客さんがしょっちゅうおっしゃるんですが」
と真剣に聞いて来ました。

バリ島は観光地。学校ではちょっとした日本語の会話などは勉強する、と聞いていたし、このご時世 「アリガトウ」を知らない人が居るとは!?

「terima kasih(ありがとう)という意味よ」と教えると
「あー、だから皆さんいうんですね。分かった!あはは」と言ってた彼女が今はスラスラと日本語を操ってお客さまと会話しています。

日本語教室に通い始め、他のスタッフが頭を抱え挫折して行く中、コマンだけが「中級コースにも進みたいのですが良いでしょうか?」と言って来た唯一のスタッフ

また、コマンらしいエピソードのひとつとして ある時 お客さまからメールを一通頂きました。

そこには『先週バリ島に行き、sisiのお店に行きました。お店を探して炎天下歩き、やっと到着した時には汗だらだらでとっても疲れていたんです。そしたらそれを見たコマンちゃんが「チョットマッテ!」とお店の奥に走って行き、一切れのスイカを持って出て来て「これどうぞ食べて下さい!」とくれたんです。嬉しくて嬉しくて、今回の旅の一番の想い出になりました、どうぞ宜しくお伝え下さい』、と。

本人に確認した所、大爆笑した後に
「だってお客さま顔が真っ赤っかで汗たくさんかいてて、きっと暑いだろうな!喉が渇いてるんだろうな、と思ってお昼に食べよう、と思って買っておいた私のスイカを渡したんですよ、はっはっは」と。

あぁ、私はこの人には敵わないな、と思った瞬間でした。


子どもを産んだ後、家でみてくれる人が居ないので「辞めます」と言った時にお店に連れて来て一緒に居たら良い、と提案し、そうなった数年。

やんちゃになってお店に連れて来ても仕事にならなくなり始め、またまた「辞めます」と半べそをかきながら言った時に「そういう時に辞める、と簡単に言うな!解決法を一緒に考えて下さい、って言うんだよっ!」と私に逆に怒られて ビックリしていた去年。(結局例のお姉さんの嫁ぎ先でみてもらえる事になりました)

今となっては一番古株のそしてまだまだ新人スタッフにも「cibi」と呼ばれているコマンです。(チビ、の意味は新人たちは分かっていないみたいだけれど)

これからもsisiを支え引っ張って行ってくれる小さな巨人!として一緒に頑張って行って欲しい人です。

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