sisi wall news paper Vol.03-4
 
■万里子のオススメ漫画

ごきげんよう。またまた万里子のオススメ漫画でございます。今回の御紹介は「百鬼夜行抄/今市子/朝日ソノラマ」でございます。失礼ながらあまりメジャーな方ではいらっしゃいませんが、実力派。最近メキメキと頭角を表していらっしゃって、他の作品も楽しみにしている次第でございます。掲載紙もこれまた隔月刊の「ネムキ」というメジャーではない雑誌なのですが、この雑誌が侮れない。この雑誌の中に御紹介させて頂きたい漫画家の方はまだまだいらっしゃいます。

この「百鬼夜行抄」という作品はいわゆる怪モノですが、作者の方のシビアな視点で現実の中から怪しい出来事を描いている様は、「ゲゲゲの鬼太郎」とは一線を画しますね。ゲゲゲの鬼太郎はこれで大好きなんですけども。妖怪というのは楽しいですね。「パタリロ」を描かれてる魔夜峰夫氏もよく題材にされていたことがございます。「百鬼夜行抄」の中の妖怪たちもまた見事に命を持っている(生きてんのか?)。怪しい妖怪、楽しい妖怪、事件の数々、妙にリアリティがあるのは主人公の律という男の子のある意味醒めた視点と、彼が怖いものを怖いと思うごく普通の感覚を持っているということでございましょうか。超人でも退治するのが仕事でもない。そのスタンスを持つ彼が主人公であるからこそ事件の奇妙さが増し、さらにそんな彼が使い魔のカラス天狗をもっているというアンバランスさが非常に面白いのでございます。

普通の彼がイヤイヤ事件に巻き込まれてしまう。それがまたホントにイヤそうで...。また、キャラクターがほんとに活きておりまして、設定も楽しい。律のお父さまは本当はとっくに死んでいて、中身は青嵐という妖怪なんですが、彼の行動パターンやカラス天狗との絡みのやりとりも思わず吹き出してしまいます。妖怪って使えねーとか思えたり。そう、怪モノだけど笑えたり、でも、怖い場面は怖いんですよ。思わず背筋がひゃ〜となったり。しかもハッピーエンドばかりではありませんし、それがますますリアリティを持たせているのでございます。恐怖と笑いは裏表だと昔、楳図かずお先生もおっしゃっていましたが、それを描きこなすというのは並大抵ではないと私は思いますわ。

怪といえば、私も幽霊のおっさんに乗られて金縛りにあったこともございますね。友人が家に幽霊置いていったり....。あれは2度と嫌ですね。肩が痛いんですよ、肩が。おおやだ。それでは皆様も取り憑かれないように御気をつけあそばせ。そういう話じゃないってか。それでは皆様ごきげんよう。

■今月の ”SiSi” のおススメ映画

皆さん映画観てますかー?私は去年の暮れに日本へ帰り、観れるだけ映画を観て来ました!残念ながら時間の関係上(経済的な理由もあり。どうして映画はあんなに高いのでしょうか?バリだったら15〜18回も観れてしまうっ。)もあり今回はビデオのみでした。

今回私が観たものを挙げますと『バッファロー’66』『バンディッツ』『ラン・ローラ・ラン』です。D・リンチ監督の『ストレート・ストーリー』『ヴァージン・スイサイズ』『奇人達の晩餐会』?などなど他にも観たい物もたくさんあったのですが「貸し出し中」だったり、たまっていた姉が撮っていてくれた『ER』も観ねばならなかったし、、、。とにかくそれぞれ楽しんでしまいましたっ。とにかく私の周りでも評判が良かったのが『バッファロー』。V・ギャロのお尻が半分はみ出てた小さいパンツと、むちむちのクリスティーナ・リッチがボーリング場で幻想的な『moon child』(キングクリムゾン?)の曲に合わせてタップダンスをするでしょう?あそこが良かった。えっ?それでいいのん???ぐらいのハッピーエンドが「私も疑い深くなったな〜」と反省させられました。

『ラン〜』はドイツ映画。ローラが「マーニーーーッ!」と彼の名前を呼ぶ呼び方がキュートだった。アニメを挿入したり、ストーリーの構成も新しい試みで大変面白かった! そして期待していなかっただけに余計良かったのが『バンディッツ』。これは『テルマ&ルイーズ』に似ています。女性が主人公のロードムービーです?です。万人に愛される作品ではないでしょうか?長い長い前振りをそろそろ終わりにして今回のオススメ作品です。

『ビッグ・リボウスキー』(1998年)監督は『ファーゴ』(1996年)コーエン兄弟です。皆さん、観られました?偽造誘拐が本物になって行ってしまうっていうアレです。前作が凄かっただけに期待された本作ですが個人的にはこっちの方がずば抜けて好きですね。